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雪の回想 
2008.01.21.Mon / 02:31 
『珠は高く買って、安く売れ』

珠とは真珠。

『苦労して丹誠凝らして作った珠を安く買いたたらいかんばい!これを高く買って、安く売ればみんながよろこんでくれるんじゃ!それが出来てこそ、一人前・・・』

少し要約しているが、これは、わたしのおじいちゃんからの言い伝えだ。

高く買って、安く売る!?

かっこいい言葉だが、なんじゃこれ?

今から16年前くらいに初めてこれを聞かされたとき単純にそう思った。

それじゃあ儲かるのだろうか?

わたしが、修行してたところの上司は、『出来るだけ安く買っておくと、売れなくなった時にいつでも安くして売ることが出来るから、それはちょっと違うなあ・・・高く買うと安くできんやろ!真珠も石も基本は一緒や!』

確かそう言っていた。

どちらかというと、その上司の教えの方が、あっているはずだと長年そう思ってきたけれど、上司の話は、石(ストーン)のことについてはあっているが、真珠は養殖場で養殖されて沢山出来るものだから、一緒じゃないんじゃないだろうか・・・

石と珠の違いは、養殖場を持っているかどうかの違いなのか?

養殖場の仲間の喜ぶ顔がみえることが大事なんだと聞いたことがある。

さらに、まわりの養殖場も大事だということだ。

それじゃあ、石にも鉱山があるから、結局石も同じなのでないのか!?

それぞれの資産に関わる人間関係は異なっても、きっとおおかた同じことだろう〜

要は円滑に回転させるということなのだ。

本当にあっているのか?

解釈はあっているはずだが、ただ、決定的な違和感が見つかった!

おじいちゃんの言葉も上司の教えも、当時と現在では、宝石の需要と供給のバランスが異なっていたことだ。

おじいちゃんの頃の日本は、珠の市場が、日本から海外へ向けてどんどんと発展していった最中だったし、上司から教えを聞いた頃は、ちょうど国内市場のバブル景気後半だった。

言い換えると、おじいちゃんはwin winで、上司はprotect!?

今や日本市場は成熟して変換期に突入、海外では、発展途上国の需要に注目される時代が到来してきた。

さて、これからの時代は、どう買って、どこで、どう売っていくのが一番いいのだろうか?

価格競争?付加価値?

この二つのキーワードは、わたしのモットーだけど・・・

And anyone!?

もっと肝心なものが大切だ!

わたしは、ジュエリーや石への魂(たましい)だと思う!!

かつて上司は、いつも『自分の確かな目と自分の値段を持っていることが大事や』といっていた。

おじいちゃんは、『珠を愛せよ!』

そういっていた。

石の商いとは何か?

薄暗く雪の降りしきるハイウェイで、ヘッドライトの先を見つめていた。

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プロフィール

てぃびさん

Author:てぃびさん
大学を卒業後、G.I.A.G,G. (米国宝石鑑定士)を取得。
その後、大手宝飾品メーカーに入社し、ダイヤモンドの鑑定を皮切りに、海外でのカラーストーンの仕入れからジュエリーの企画、販売へと従事し、宝石にまつわるエトセトラを学ぶ。
退社後、海外の宝石のマーケットや原石の採掘現場などにおもむき宝石の買い付けや買い付けのご相談の仕事をやっています。

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