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2006年04月の記事一覧
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宝石の買い付けの現場から〜その八〜 
2006.04.25.Tue / 14:00 
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宝石をみて美しいとか綺麗だと感じるとき…

誰もがみて、美しいと感じる宝石がある。

美しさを感じながら美しいものだけにこだわりそれを探し出すことは、このうえない楽しい時間だ。

ただ、宝石の買い付けの世界は、この限りではない。

何をみせれば、ひとは満足できるのか・・・

わたしのこだわりの宝石とはここにあるといって過言ではない。

ひとの手に入れたい宝石には、値段とこだわりがある。

それは、千差万別だから、ただ美しいものだけを追い求めるわけにはいかない。

ただ美しいものからいみのあるものまで、宝石を探しては、見つけだす。

いみのあるもの…

これが、美しいとか綺麗だとかそういう実感を一時的にマヒした作業へと変えてしまう。

なぜか?

マヒとはなにか?

写真は、ホワイトサファイアの集まったメレーサイズのロット。

わたしには、いみのない宝石たちが、ただ謙虚に笑っていた…

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宝石の買い付けの現場から〜その七〜 
2006.04.23.Sun / 19:02 
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純真無垢なまなざし。

宝石を見るときにもこの瞬間がある。

美しいとか綺麗だと感じるとき・・・

沢山の宝石をみているときれいなものを選びだすことに夢中になりそれはやがて、いみのあるものをさがすことへかわってゆく。

どこが魅力的なのだろうか・・・

ひとはいったい魅力を感じるのだろうか。

どうして手に入れたくなるのだろうか・・・

ひとはいみを感じて宝石を手に入れる。

少女に一枚のコインをわたして、のどをうるおして、やすらいだ。

『お金よりも徳のあるものにひとは出逢いたいのよ。じゃあね…』

このまなざしのむこうがわで、少女はただそう語っていた・・・

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宝石の買い付けの現場から〜その六〜 
2006.04.16.Sun / 20:50 
宝石の買い付けをどこでするのが、いちばんいいのか?

あるいは、どこで買い付けするのが本物の姿なのか?

誰もが興味のしめすところだ。

鉱山でも石を買えるチャンスはあるし、鉱山付近のマーケット、カッティングファクトリーの集まる町のマーケット、取引が盛んな買い付け事務所のあつまるオフィスビルディング、そして日本国内も含めて宝石の買い付け現場はさまざまである。

どこで、買い付けするのが、いちばん有利な買い付けができるのか?

みなもとへ行けば行くほど、自分に有利な買い付けができるとイメージが先行して思われがちであるが、そこに行っても、必ずしも自分に有利な買い付けが出来るわけではない。

それぞれの場所によって、買い付けのリスクとメリットは異なるし、みなもとへ行けば行くほど買い付けのリスクも増える。

また、リスクを背負えば、メリットが増えるとは決して限らない。

イメージとしては、宝石の鉱山で直接石を買ってくることや、宝石の鉱山付近の町で石を買い付けること自体が、イコール石を安く買い付けることができるということに思われがちであるが、現実的にはそんなに甘いものではない。

まず、鉱山では、われわれが、石を直接買うことのメリットなどはほとんどない。

メリットのあるひととは、誰か?

優良な鉱山を探し当てたものとその鉱山を所有しているひと、それに鉱山の採掘権を買っていい結果(莫大な量か歴史的にのこる逸品を採掘できたもの)の残せたもの、そして、カッティング前のラフのブローカーやそれらを金額的にまとめて買い付けることの出来るひとたちに限定される。

鉱山を探し当てたものも、鉱山を所有しているひとも、鉱山を所有する前から、鉱山を所有するために目標の石が採掘されるかどうかその調査にたいして莫大な費用と年月をかけている。

また、ときには、前の鉱山の所有者から採掘の権利を得てオーナーになったものもいるだろう。

いずれのオーナーも、鉱山から石を採掘するために沢山の人件費やジュウキなどの設備費を費やし、鉱山を操業するために
さらに莫大な金額と年月を要している。

これほどの資産を投じるリスクがあって、はじめてメリットがうまれる可能性が出てくるわけだ。

一方、カッティング前のラフのブローカーやそれらを買い付けするひとたちも鉱山とべったりリスクを背負う人間はそう多くはいない。
鉱山が死活すると自分たちも運命をともにするのはとても大きなリスクだから彼らはさまざまな鉱山にリスクを分散させている。

そして、そこから出てくるラフを買い付けするのが、カッティングファクトリーの人間たちだ。

彼らは、ラフのカッティングロスや石のカッティング後の品質について莫大なリスクを背負う。

カッティングファクトリーの人件費や設備そのもの自体は莫大なリスクでもないが、商売になる石をいつもカッテイングし続けることができるかどうか?あるいは、カッテイングした石が次へと流通させることができるのか?これらを含めると非常に大きなリスクになる。

それらのリスクを分断するために、量的にも金額的にも石を売り続けなければならない。

これらの石が、カッティングファクトリーの集まる町のマーケットと取引が盛んな買い付け事務所のあつまるオフィスビルディング
に一気に吐き出されるわけである。

ここで、はじめてわれわれが石を直接買うことのメリットが出てくるのである。

値段的にも安定しているし、量的にも品質的にも恵まれているから、買い付けしたい宝石を十分に吟味することができる。

だからラフや特殊な宝石を除いては、山の近くで買わないといい買い付けができないなんていいっているひとは、こと買い付けに関しては素人同然である。(売り手の勝手な論理にすぎない。)

鉱山近くのマーケットの存在はイレギラーな位置づけではあるが、カッティングされたものでも出物は確かに出てはくる。

ただ、原則はラフをかわなければメリットはあまりない。

カッティングされた石はここにとどまるよりは、量的にも金額的にも品質的にもビジネスチャンスのあるマーケットに集まる。

カッティングされた石については、一般的に流通していない石を除いては、買い付けするメリットはあまりない。

残された石。

ここで、カッティングされた一般的な宝石を見れば、答えは次第にわかる。

イメージの産物と実物の評価の違い。

これはシビアだ。

ただ、買い付けのスタイルを山に追い求めることもバイヤーの自由だ。

また、売り手の論理もそれぞれ自由だ。

宝石の買い付けの仕方にも売り方にも正解などないから〜

自由そのものだ・・・

(写真は後日掲載)

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宝石の買い付けの現場から〜その五〜 
2006.04.13.Thu / 03:15 
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ジャスト オンリー スコップ!

宝石の買い付けには、10倍ルーペとピンセット、0.1mm代〜0.01mm代まで計ることの出来るノギス、そして金具で出来た掬いが必要不可欠な所持品である。

その金具で出来た掬い(当ブログのルビーの写真参照)スコップを使って、約170ctのパライバの含まれているロットを掬って買ってもいいといわれた訳だ。

まず、掬ってもいい石が買えるのかどうか、一つずつ石をチェックして、それぞれのロット全体の品質を確認する。

買えそうな品質と、そうでない品質とを数段階にわけて石をひたすら選別する。

ひととおり途中まで石を選別すると、次は同じロットのなかから別のかたまりを手元に引き寄せて、これを一つずつ選別してみる。

そうすると、ロットの全体像が早くわかり、買えそうな品質の石とそうでない石との割合もいち早く見抜ける!

このロットの結果は…

買えそうな石の割合は、低い。

試しに掬ってみて、中身をチェックしてみてもいいか?

と尋ねると、もちろんO.K.だと即返事が返ってきた。

一回掬ってみる。そしてチェックしてみる!

だめだ!

もう一回掬ってみて、チェック!

今度はわりあいいい感じだ。

(練習効果が出てきたそ〜)

よし!このロットのこつがわかった!

再度掬って、チェックしてみたら、まあまあって感じの内容になった。

これでいくら?



ダメだ!

心のなかでみて掬わないとダメ!

何?どういうことだ?

Close your eyes,please.

Let's try again!

目を閉じて、掬わないと始めからダメだって!

(ハハーンそう来るのだったら、はじめから言ってくれよ〜)

それでも何とか、あそこを掬えばいける!

(まだ、あきらめません!)

目を閉じながら目的の方向へ向けて手を伸ばした瞬間!

なんと!

わたしの手のうえに彼の温かい手のひらが覆いかぶさり、
わたしの手は、まるで彼のマウスにでもなったかのように
目的の方向からスコップがずれてゆく!

スコップが止まった。

O.K.Mr.Tibi?



I'm sorry,our game is finished.

わたしは、このロットから買い付けすることをあきらめた。

写真でみればよくわかるかも?

元々それくらいの品質だったから!?

まるで、目先のパライバは、プールの飛び込み台の上からバラバラになって闇のなかに消えてしまい、ただ、後追いするかのようにわたしは、一直線に向かって、沈んでいってしまった… 

あきらめが悪くて、むなしさを味わい、彼の微笑みと笑い声をB.G.M.にしながら
ただ他の石をみていた・・・

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宝石の買い付けの現場から〜その四〜 
2006.04.05.Wed / 21:54 
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もう一度プールが見たかった。

プールの水の色は、手のひらですくうと、透明そのもので色などついていないまさにカラーレスに見える。

昨日数件で見たパライバトルマリンのスモールサイズのロットはちょうどこんな内容だった。

小さなパライバが集まっていると全体的には、色が感じられるのだが、一粒ピックアップしてみると、まるで騙されたように色が感じられない。

よくあることだがこれはIt's big problem!…

沢山の種類のロットを小さいサイズから順にピンセットを使って裸眼で一つずつみているとサイズにもよるが、十五個に一つから二十五個に一つしかパライバの特徴のある石がピックアップ出来ない!

全体の量は沢山ある。

たったわずかな割合であったとしても全体を買い付けすれば、いい色でカットもよく照りのあるパライバを集めることは買い付けの方法としては考えられる!

が…売り手の1ロットはなんと170キャラット以上!!

小さいロットでも約60キャラット!

小さいサイズのロットの方がパライバの出現率はもっと低い。

わずかな数のパライバのために一体いくらするんだ!

パライバのナイスカラーの出現率が低いのにしかも高い。

ハハーン、売れ残りのロットなのかと思うことにした。

わずかなナイスカラーのパライバトルマリンだけにかかる原価の負担が大きすぎる。

残りのカラーレスに近いパライバには一個あたりわずか10セントの価値もないだろう。

わたしは、ダメもとでいい色だけのパライバトルマリンが欲しいから、ピックアップの値段を出してくれないかと交渉してみた。

彼のこたえは、ノー!アイムソーリー!

すると彼の唯一のアイデアは、ジャストオンリースコップ!

みなさんこれなんだかわかりますか?

ブールサイドのスタンドバーからミラー越しにブールの水面がわずかに反射してきらめく。

プールカラーが映っては消え、映っては消えてゆく。

パライバトルマリンの山もこのままわたしの目の前から遠ざかっていくのだろうか…
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宝石の買い付けの現場から〜その三〜 
2006.04.02.Sun / 23:07 
20060402230328

買い付けてきた宝石を整理することにあけくれて、気がつけばMy blog の更新が一週間とどこおってしまいました。

コメントのレスも追いつかずこの間にMy blogをチェックしていただいた
みなさんに申し訳ない。

My blogのコメントを見ているとやっぱり買い付けの駆け引きにどうしても注目があつまるのはうれしいけど、宝石の買い付けに大事なことは駆け引きよりも自分の値段と、現場の売り手のラストプライスが合うのか、合わないのか?

これが大事なこと。

そして、それ以前に、自分の見ている宝石が買う値打ちがあるのかどうか?

これを見極めることがもっと大事なことなんです。

たとえば、いくらきれいな宝石でもわたしからそれを買うひとがいなければ、いくら値段があおうが、駆け引き以前に買い付けてはいけない宝石なのです。

また、わたしのお客さまの欲しい宝石が見つかったとしても買い付けできる値段があわなければ、買ってはダメなんです。

他にも、お客さまの欲しい品質よりも少し低いものとか小さいものとか
お客さまの要望の範囲外のものであれば、これも安易に買ってはいけません。

だから、買い付けには、そういう判断を含めて、見ている宝石をピックアップしていって、そのなかでどの宝石が必要なものであるかどうか?

必ず、優先順位をつけて買うかどうかの決断を下します。

プロのたまごのひとたちや、あまり宝石の買い付けをしていない宝石店のひとを現場にお連れするときには、さまざまな現物を見ながらこういったアドバイスを重ねてゆきます。

沢山のブローカーが自分のまわりに押し寄せてきても、あるいは、沢山の宝石に囲まれようとも、決して判断を見誤らないようにサポートしていますが、実際にズバリ!買ってみないとわからないこともあるので、買い付けの経験をかさねていくことが、バイヤーとして向上するのではないかと思います。

写真は、例の散歩のあとに常宿のプールのなかから撮った一枚。

ピックアップしたパライバトルマリンを買い付けするかどうか?

プールの色を眺めながら、考えたりしていました。

ピックアップしたパライバトルマリンは、プールカラーなのか?

プールのなか…?

プールのなかからカメラを撮っていると、気がつけば、わたしのうしろから!!

アベックが不思議そうな顔でこちらのほうを見ていました…
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プロフィール

てぃびさん

Author:てぃびさん
大学を卒業後、G.I.A.G,G. (米国宝石鑑定士)を取得。
その後、大手宝飾品メーカーに入社し、ダイヤモンドの鑑定を皮切りに、海外でのカラーストーンの仕入れからジュエリーの企画、販売へと従事し、宝石にまつわるエトセトラを学ぶ。
退社後、海外の宝石のマーケットや原石の採掘現場などにおもむき宝石の買い付けや買い付けのご相談の仕事をやっています。

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